今年のラマダンはいつ頃?ドバイでラマダンとその時期の過ごし方

今年のラマダンはいつ頃?ドバイでラマダンとその時期の過ごし方

ドバイ(UAE)はイスラム教の国ですので、イスラム教の宗教行事があります。

その中で私達「非ムスリム」にとって関係してくるのが「ラマダン」です。

非ムスリムの旅行者には直接は関係ありませんが、国自体がラマダン時期に入ると、街中の飲食店は閉まり、モールも普段とは違った装いをしています。

では、「ラマダン」とは一体どういった宗教行事なのか?

今年ももうすぐ始まる「ラマダン」
あまり詳しく書くと難しくなるので、サラッと簡単に説明していこうと思います。

「ラマダン=断食」?

ラマダン(ラマダーン)とは、「イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月」の事を言います。

このイスラム暦第9月の1ヶ月間に、世界中のムスリム(イスラム教徒)が夜明けから日没まで「断食(サウム)を行います。

「イスラム教徒の五行」
・信仰の告白(シャハーダ)
・拝礼(サラート)
・喜捨(ザカート)
・断食(サウム)
・巡礼(ハッジ)

この五行のうち、ラマダン期間には「断食(サウム)」を行います。

基本的に全てのムスリムはラマダン期間中は断食をする必要がありますが、妊婦、病人、高齢者、10歳以下の子ども等は除かれます。
これは、あくまで宗教的な試練として行われるのであって、決して食べ物の摂取量を減らすことが目的ではないからです。

ラマダンの時期は毎年違う?

ラマダンの期間は毎年変わります。

その理由は、イスラム歴で算出されいるからです。
「イスラム歴」は1年が354日になっており、現代社会で使用されている「グレゴリオ暦」とは11日短くなっています。(365日ー354日=11日)

その関係で、毎年11日ラマダン時期が早まっている訳です。

ちなみに、グレゴリオ暦は「太陽暦」に対し
イスラム歴は「太陰暦」がベースとなっています。

また、ラマダンの始まりと終わりですが、地域によって解釈が違ってきたりします。
その地域の偉い人(宗教指導者等)が「開始!」「終了!」と宣言されて初めて「ラマダン」となる厳格な地域もあったりします。

ラマダン中は飲み食い一切無し!?

ラマダンの時期は、太陽が昇っている間は食べれません。

もっと詳しく説明すると、すべての成人ムスリムは、夜明けから日没までの間は、飲食、喫煙、性交渉を慎む事とされます。これは「強制」ではありません。あくまでも「義務」です。

ただし、10歳以下の子供、妊婦、病人、お年寄り、旅行中の人、重労働者などは断食を免除されます。その代わりに、元気になった(お役目から外れた)ら自ら同じ日数でラマダンをやらなければなりません。(セルフラマダン?)

なので、「この約1ヶ月間は何が何でも絶食!」という事ではありません。

また、地域によっては軽い水分程度の補給はOKとしているとこもあるそうです。

そして日が沈むと・・・盛大に祭りが始まります(笑)

日中に食べれなかった分、日没から夜明けまで食べまくります。
早い話、「国を挙げてのドカ食い」です。

「断食だからダイエットになるかも?」
と思った人、残念ながらその逆です。
ラマダン中は夜食が盛大になり通常より食糧品が一番売れる時期というぐらい、皆さん食べまくります。

そりゃドカ食いして寝りゃ肥るワな。
なので、ある意味ラマダン期間中は注意が必要ですね。

ラマダンの期間はいつ?

その年によって時期が違いますので、分かりやすく表にしてみました。

西暦 イスラム歴 開始日 終了日
2015年 1436年 6月18日 7月16日
2016年 1437年 6月06日 7月05日
2017年 1438年 5月27日 6月25日
2018年 1439年 5月16日 6月14日
2019年 1440年 5月05日 6月03日
2020年 1441年 4月24日 5月23日

表を見ると分かる通り、今年(2017年)のラマダンは5月27日~6月25日になります。

また、日本人に関係してくるのが、2019年と2020年のラマダン時期ですね。ちょうどGW時期がラマダン期間になります。特に2020年は完全にラマダン時期に入っています。

ラマダンは通常とは違った事が多く、戸惑うことがあるかもしれませんが、普段とは違ったドバイを体験してみる絶好のチャンスとも取れます。

ラマダン中はどう過ごす?

ラマダン中のイスラム教国は普段とは様子が変わります。

まず、公共の場での飲食はダメです。

それはドバイも同じです。
基本的に飲食店は日中は閉まってます。

街中の店は元より、モール内の飲食店の多くも閉まってます。
中には営業している飲食店もありますが、外から見えないようなカーテンや衝立を立ててヒッソリと営業しています。

なので、「日中は全く飲食はできない!」という事ではないので、旅行者はそこまで不便を感じる事はないと思います。

ただ、食べる時は必ず「見えない場所で隠れて食べる」を厳守しましょう。
(国によっては厳罰を喰らいますよ!)

まとめ

ラマダンは決して「苦行」ではありません。
イスラム教徒にとっては、むしろ「喜び」とされてます。

・宗教上の報い
・空腹という欲望を制する自己鍛錬
・食に対する感謝と貧しい人への理解
・ムスリムで同じ境遇を共有する同朋愛
・自分自身と向き合う時間

私たち非ムスリムからしてみると、「1ヶ月の間、日中は何も飲み食いできない」事は、とても考えられない事だと思うかもしれませんが、これらを克服し、神への献身と奉仕に没頭できる大切な期間が、この「ラマダン」なのです。

同時に、非ムスリムの旅行者が、イスラム社会の風習を体験できる、数少ない時期がこのラマダンとも言えます。

非ムスリムも公共の場、特に断食中のムスリムの面前での飲食を控え、ラマダン明けには一緒に盛大に楽しむ。

「お互いに相手の文化や宗教に敬意を払う」
この気持が重要だと私は思います。

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