ドバイの大みそか:カウントダウンに湧く中起きた超高層ホテル火災 ~あれから二週間~

大晦日の惨劇

それは突如起こった。

12月31日。
毎年ドバイで行われる、新年を祝うの盛大な「カウントダウンの花火」
ある意味、大晦日の風物詩として世界的に有名な一大イベントだ。

その新年を祝うはずのイベントが一転・・・惨事となった。

私のドバイ在住の友人も、この現場に遭遇しているので、現地からの生の声をお伝えしていきます。

燃えた白亜の超高層ホテル

ドバイの中心エリア「ダウンタウン」にあり、ドバイ・ファウンテンの正面に立つ白亜の超高層高級ホテル「ジ・アドレス・ダウンタウン・ドバイ」

目の前にあの「ブルジュ・カリファ」がそびえ立ち、このホテルのバルコニーから見るカウントダウンイベントは、誰もがうらやむ正に「特等席」と言えるホテルだ。

私自身もこのホテルはドバイのお気に入りの1つとしてます。
特に「ブルジュ・カリファ&ファウンテンビュー」タイプの客室はプラス料金を払ってでも泊まるべきと思っています。もう全然バリュー感が違いますね。

出火!?ヒールを脱ぎ捨てての避難

私の友人でドバイの中心地「ダウンタウン」に住んでいる方がいます。

その友人が、マリーナエリアの友人家族を招待し、カウントダウンを特等席で見るために「ザ・パレス・ダウンタウン・ドバイ」ホテルへ移動。そこでカウントダウンが始まるのを今か今かと待っていました。

その時の状況と、その後を教えて頂きました。

21:30頃、その異変が起きました。
ちょうど21:30に始まるファウンテン・ショーを見るために、テラスへ出た瞬間驚く光景が目に飛び込んだ!

「あれ?火が・・・?火!!??」

テラスは上からの火の粉や、スレンレスの外壁と思われる破片などが、どんどん降ってきてました。

「演出?なのかな?」とも周囲を含めて思ったりもしましたが、それは時間が経つにつれ増えてきたので、危険を感じジリジリと後退していきました。
いつも見慣れているはずの景色が、全く違う光景に、ただただ目を疑うだけでした。

その後、すぐに避難指示が出て、急いで避難しました。

避難すると言っても周りは人・人・人!
カウントダウンを見るために、ファウンテン周辺、ドバイモール内、メトロは人でうめつくされていました。

それでも移動しないといけない。

移動する人々の中には、カウントダウンを楽しむためにドレスアップしている人達も多くいて、特に女性はドレスにヒールを履いている人もいました。
さすがにヒールだと移動するのが大変なので、ヒールを履いている女性たちは1人、また1人とヒールを脱ぎ捨て裸足になって移動していました。

そうしているうちに、何とカウントダウンの花火が始った!
それを目にした人々は「もう信じられない!」と皆で嘆きました。

とにかく歩くこと1時間、やっとの思いでメトロ駅まで到着。
そして、そこからメトロに乗るのに1時間以上待ち、やっとの思いで友人宅のドバイマリーナへ到着。

そして友人宅で新年を迎えることに・・・

消火活動とセールに湧くモール

元旦は避難指示が出たままで帰宅できず。2日の午後にようやく居住者のみ立ち入る事ができるようになったとい事です。

私の友人は「パレス・ダウンタウン・ドバイ」「スーク・アルバハール」一帯にあるレジデンスに住んでいます。
1組は今回火災が起きたホテル側、もう1組はその反対側に住んでいます。
避難指示が出たのはホテル側の住人で、反対側の住人は普段通りの生活を・・・送れればいいですが、実はガスが止まっている状態なので、不便な生活を強いられていました。

火災から2日後。未だ鎮火はできてない状態みたいです。
燃えたのはファウンテン側の高い客室側。ビジネス・ベイ側は無傷なので、ホテル内部からの出火ではないので、死傷者が少なかった事が頷けます。

周辺はドバイモールのパーキング入り口から、パレスホテル前までの約200mが封鎖され消火活動が懸命に続いてましたが、はしご車が届かず、消火活動はかなり難航しているとの事でした。
ちなみに、ドバイモールは元旦より通常営業との事で、毎年新春に開催される「ドバイ ショッピング フェスティバル」も勿論開催されていて、ドバイモールは凄い人出だったそうです。

これを目当てに各国から多くの人が訪れる訳ですので、止める訳にはいかないでしょうからね。

この辺りがさすが「ドバイ」と言うか「海外」ですね。
日本のような「無駄な自粛ムード」というのが無いのがいいです。

消化現場にドバイのシェイク(首長)が陣中見舞いにきて、更に湧いたそうです。

鎮火するも不便は続く

完全に鎮火され、家に戻れるようになりました。ただ、ガスはまだ使えない・・・
取り敢えず、我が家に帰ってこれて寝れるだけでも良かったというとの事ですが、依然不便な生活が続くようでした。

鎮火直後のジ・アドレス・ダウンタウン・ドバイの様子。何か泣けてきます・・・
消火活動に携わった方々、本当にお疲れ様です!
ガスが復旧したのは元旦より一週間後。
その頃にはホテルの現場検証が終わり、営業再開に向けた工事を始めるべく片付けが始まったようです。

第2の観光スポット?

ホテルの表面には黒いネットを張り作業の準備が始まったようです。
この写真では見づらいですが、張られているらしいです。

またドバイモールとスーク・アルバハールを繋ぐ橋とホテルの間にはネットが張られ、どうやら現場事務所か作業場のような場所がクリークの水場の上まで作られている様子です。昼夜を問わずの突貫工事が始まるのが予想されます。

翌日は更に作業人数が増員されてたようです。すぐ下の写真左下側の窓枠がない箇所が火元となった場所です。

その翌日も更に増員・・・作業員の皆さん、くれぐれもお気をつけて下さい!そして頑張って下さい!

現地の情報では、建て替えではなく改修修理になるそうです。

今回の火災が起きたホテル「ジ・アドレス・ダウンタウン・ドバイ」にはレジデンス(居住区)があります。
ここに住んでた人は、系列のアドレス系ホテルに分散しているそうです。

ただ、自宅に物を取りに行く場合は、エレベーターがまだ使いないので、階段で取りに行っているそうです。
ちなみに、このホテルの高さは東京タワーと同じぐらいあります。
それを階段で登る・・・気の毒すぎます。

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